RPS6KB1; RIBOSOMAL PROTEIN S6 KINASE, 70-KD, 1
[別名]
S6K1
p70 S6 KINASE
ALPHA
p70(S6K)-ALPHA
p70-ALPHA

RPS6KB2; RIBOSOMAL PROTEIN S6 KINASE, 70-KD, 2
[別名]
S6K2
p70 S6 KINASE, BETA
p70(S6K)-BETA
p70-BETA

 

キーワード

 PI3キナーゼ、TOR、セリン-スレオニンキナーゼ、

歴史とあらまし

 リボソームタンパク質S6をリン酸化する酵素として同定されたセリン-スレオニンキナーゼである。増殖因子やストレスなどの刺激により活性化され、細胞周期やタンパク質合成の調節をしている。

分子構造

 S6K1、S6K2ともにスプライシングバリアントが存在し、S6K1はα1が525、α2が502、S6K2はβ1が495、β2が482アミノ酸である。S6K1とS6K2の相同性は約70%である。また、S6Kには複数のセリン・スレオニン残基のリン酸化部位が存在し、S6Kの活性が制御されている(Ref.1)。

機能

 インスリンなどの増殖因子やアミノ酸濃度の変化などの刺激によりPI3キナーゼを介した経路やmTORを介した経路などの複数のプロテインキナーゼによりリン酸化を受けることで活性化され、タンパク質合成を制御する(Ref.1,2)。

老化・老年病における意義

 酵母においてS6KのオルソログであるSch9の変異体が寿命延長を示し、S6Kの阻害はショウジョウバエや線虫においても寿命延長が報告されている(Ref.3)。マウスにおいては、S6Kl遺伝子の欠損が雌マウスの寿命の延長を引き起こし、同時に、運動機能、インスリン感受性、耐糖能などの加齢に伴う低下が抑制されることが報告された。また、肝臓、骨格筋、白色脂肪細胞の遺伝子発現パターンがカロリー制限時と類似していることが示されている。ただし、雄マウスでは寿命延長が認められていない(Ref.4)。

Database

RIBOSOMAL PROTEIN S6 KINASE, 70-KD, 1; RPS6KB1
RIBOSOMAL PROTEIN S6 KINASE, 70-KD, 2; RPS6KB2

参考文献

作成者

川上恭司郎 20121207

Update 20121217

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