独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 研究所(東京都老人総合研究所)
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老化制御研究


 

田中雅嗣

1.健康長寿ゲノム探索研究

2.分子老化制御研究

3.自律神経機能研究

4.環境老化研究

5.老化再生研究


 

老化の分子過程を理解し、多様な老化過程を制御することによって、健やかで充実した高齢期を楽しむことは、多くの人々の願いである。老化制御研究チームは、遺伝子レベル、分子レベル、細胞レベル、線虫・マウス・ヒトの個体レベルにおける研究など多様なアプローチを通じて、高齢者の生活の質(Quality of Life)を高めるために有用な具体的な方法の開発を目指している。分子病理学、生理学、神経生化学、遺伝学、それぞれの研究テーマを有機的に結合し、統合的な解決策の提言が可能になるように組織化を進めている。
 

1. 健康長寿ゲノム探索(Genomics for Longevity and Health)
2. 分子老化制御(Regulation of Aging)
3. 自律神経機能(Autonomic Neuroscience)
4. 環境老化(Geriatric Biosystems)
5. 老化再生(Molecular Neurobiology)

 健康長寿ゲノム探索チームでは、線虫における寿命関連遺伝子の解明、超百寿者の遺伝的因子の探索、生活習慣病に関連する遺伝子多型の解明、ミトコンドリア心筋症・脳筋症のmtDNA病因変異の迅速診断系の開発、身体活動による老年症候群の予防に関する長期縦断疫学研究など行ってきた。最近、世界トップレベルの短距離走選手・マラソン選手の運動能力に関連する遺伝子多型を解明するために全ゲノム領域関連解析を開始した。ジャマイカ・ケニア・エチオピアの極めて優れた運動選手群と対照群を比較することにより、神経系・内分泌系・循環器系・筋骨格系などの多様な機能に関連する遺伝子が同定された。これらの遺伝子の働きをDNA・RNA・蛋白・細胞・個体の各レベルで明らかにすることが必要である。これらの研究は、高齢者における加齢性筋肉減少症(サルコペニア)が進行する機序の解明に直結すると期待されている。また、それらの研究成果は、中高年のメタボリック症候群の背景に存在する細胞内ミトコンドリアの数的・量的な減少(ミトペニア:mitopenia)を阻止するための積極的な介入手段の創出に繋がるであろう。加齢に伴う骨格筋・心筋・中枢神経系における機能低下を個人レベルで定量的に評価するために、安定同位元素(13C)で標識した呼吸基質(ピルビン酸・乳酸・酢酸)を投与し、呼気ガス分析によって全身のミトコンドリアにおけるエネルギー代謝を非侵襲的に測定する方法を開発した。同時にmtDNA変異によってミトコンドリア機能障害を有する細胞に対して、細胞内および細胞外の代謝産物を包括的に一斉分析するメタボロミクスの方法論を適用し、加齢に伴うミトコンドリア機能低下を補完する生理的な活性物質の探索を行っている。このように、本研究チームは、遺伝子レベルから個体レベルに至る幅広いスペクトルの中で高齢者の健康維持増進に貢献する研究を遂行している。


 

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2009/12/22

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