独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 研究所(東京都老人総合研究所)
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老化制御研究チーム 

 研究テーマ:

環境老化研究

 



 リーダー:大澤郁朗

 研究員:高橋眞由美 

キーワード
 

 酸化ストレス、ミトコンドリア、水素分子、神経変性疾患、クロック1 (clk-1) 遺伝子, 寿命と生体リズム, コエンザイムQ (CoQ)

 


 

1. 水素分子の生理作用機序解明と疾患への適用
2. 食品によるストレス障害防御法の開発
3. 老化制御におけるクロック1 (clk-1) 遺伝子の役割

 環境老化では、ミトコンドリアと酸化ストレスをキーワードに研究を進めています。

1. 2007年に私達が、水素分子が生体内で活性酸素種を還元することで酸化ストレスの軽減による疾患治療へ応用できることを初めて報告して以降、水素分子の生理活性に関する論文が100以上報告されています。脳、心臓、肝臓等の虚血再還流障害については水素ガスの吸引、腎臓等の臓器移植では水素溶存保存液での保管、高眼圧緑内障モデルでは水素溶存液の点眼で障害が抑制されました。また、水素分子を高濃度に溶存させた水(水素水)を飲むことで、神経疾患や糖尿病等の多様な疾患で予防・治療効果がある可能性が示されています(図)。最近、肺の放射線傷害を抑制することも報告しました。しかし、水素分子が様々な作用を示すメカニズムについては不明な点が多く、その解明に取り組んでいるところです。

図:多様な効果を示す水素分子
 

2. うつ病などの高齢者の精神疾患が増加しています。そこで、ストレス性精神疾患をモデルに様々な有効成分が含まれる食品類の効果検証に取り組み始めました。

3.  哺乳動物においては代謝速度や心臓の拍動などの超日リズムがゆっくりしている方が長寿命であることが古くから知られています。その理由として、代謝速度の低下に伴い細胞障害性のある代謝副産物である活性酸素の生成量が減少し、その結果個体寿命が延長する可能性が指摘されています。私達はこの仮説を検証するため、寿命関連遺伝子として線虫で同定されたclk-1遺伝子に着目しました。clk-1の遺伝子産物はミトコンドリア呼吸鎖の電子伝達体であり、同時に活性酸素の最大の発生源であるコエンザイムQ(CoQ)の合成酵素です。私たちが既に作製したCoQが全くないclk-1欠損マウスと、CoQ量を半減させたclk-1トランスジェニックマウスを用いて代謝速度、超日リズム、寿命と活性酸素発生量、酸化障害の程度との間にどのような関係があるかを検討することで、老化制御におけるclk-1遺伝子の役割を明らかにする事を目指しています。CoQ10はアンチエイジング効果を期待されサプリメントとして市販され、多くの人々に服用されています。けれども、加齢に伴い細胞内のCoQが本当に減少するのか、また外因性のCoQ10が果たしてアンチエイジングに有効か否かに関する基礎データは殆どないのが現状です。私たちの研究は老化のメカニズムを解明するとともに、これらの点に対しても科学的根拠を示すことができると考えています。

 

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2011/11/25
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