独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 研究所(東京都老人総合研究所)
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老年病理学研究チーム 

 研究テーマ:

神経病態生理研究

 


 リーダー:青崎敏彦

 研究員:三浦正巳

 非常勤研究員:井上律子、
                       西村欣也、大瀬善之、安藤望(順天堂大学麻酔科)
 

キーワード
 

 神経精神疾患、神経変性疾患、大脳基底核、海馬、電気生理学、シナプス可塑性、ドーパミン、アセチルコリン



 

1.大脳基底核-皮質-視床連関の回路動態の生理学的解析

2.病態モデルマウスを用いた神経精神疾患の病態生理解析

 当研究グループの専門は神経生理学です。私たちの研究の柱の一つ目は「皮質−大脳基底核−視床連関」の回路動態についての生理学的な研究です。私たちはこれまで大脳皮質から大脳基底核へ投射する神経線維の入り口である線条体という場所の神経細胞とドーパミンとの関係について調べてきました。線条体の神経細胞には大脳基底核の他の場所(これを神経核といいますが、これには淡蒼球、視床下核、黒質などがあります)に投射する神経細胞と、他に線条体の外には線維を出さないインターニューロンと呼ばれる神経細胞があります。私たちはこのうちアセチルコリンという神経伝達物質を出すインターニューロンがドーパミンとともに大脳基底核の関わる記憶・学習に重要な働きをすることを報告して来ました。パーキンソン病のようなドーパミンが喪失してしまう病態では、この記憶・学習の能力が失われてしまいます。逆にドーパミンが多すぎると、統合失調症や強迫性障害、薬物依存に似た病態を生じます。皮質−大脳基底核−視床連関の生理学的性質を明らかにすることはこのように神経精神疾患の病態を明らかにすることにつながっていきます。

 私たちのもう一つの柱は神経精神疾患の病態生理の研究です。基礎的な生理学的研究は結局のところ、さまざまな疾患の病態生理と切っても切り離すことはできません。近年多くの神経精神疾患の原因がかなりの程度までわかってきました。現在病気に関係する遺伝子を改変したさまざまな病態モデルマウスが世の中にはたくさん出回っていますし、また日々作り出されて来ています。しかし、その病態生理の研究はまだまだこれからです。これまで解析を行ってきたマウスには大脳基底核に直接関係するパーキンソン病や歯状核赤核−淡蒼球ルイ体萎縮症は言うまでもなく、筋萎縮性側索硬化症、心的ストレス障害(PTSD)、躁うつ病があります。私たちはこのような病態モデルマウスの解析を通じて病気の発症のメカニズムの解明、さらには治療の策定に貢献したいと思っています。

生後7日のマウス脳の水平断。 in situ hybridization法により線条体の中にドーパミン産生に関わるtyrosine hydroxylase mRNAを持った神経細胞が存在することがわかる。Cx:大脳皮質、CPu:線条体、LGP:淡蒼球、ic:内包

 

 

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2011/12/01

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