アルツハイマー型認知症は遺伝的要因が発症に関与すると考えられる一方で、環境(食習慣や運動習慣などのライフスタイル)が発症と結びついている可能性を指摘する研究結果が数多く報告されてきています。また、認知症になる前に最初に落ちる機能(エピソード記憶、注意分割、計画力)を集中的に鍛えることで、認知症に対抗できる脳の機能を持てるのではないかという考えも出てきました。認知症になる可能性の高い人、いわゆる認知症予備群は「加齢関連認知低下(AACD:Aging-associated
Cognitive
Decline)」と呼ばれており、AACDは地域高齢者の2割から3割を占めていることが分かっています。このような認知症予防の対象者の多さは、行政や保健所が専門的スタッフを動員してプログラムを行うような「医療モデル」だけで対処できる数ではありません。そのため、認知症予防を有効的に行うためにも、また、費用対効果を考えた場合でも、住民が認知症予防の方法を学んで主体的に地域に広めていく「地域型モデル」が、望ましい認知症予防活動のモデルであると考えられます。
東京都老人総合研究所は、平成17年度から東京都の新しい事業である「認知症予防のための支援事業」を受託して実施することになり、それに伴い「認知症予防対策室」を発足させました。認知症予防対策室では、地域型認知症予防活動を展開しようとする
自治体に対して、地域の認知症予防の中核となる人材の養成や技術的支援などを行うことで、効果的な認知症予防事業を普及させていくことを目指しています。19年度
も、区市町村の認知症予防従事者及び区市町村から推薦された住民の方々を対象に、広く地域型認知症予防プログラムに関する基礎的研修や専門的研修を実施する予定です。また、地域型認知症予防プログラムに総合的・計画的に取り組むいくつかの区市町村に対して、実施指導と技術的支援を直接行います。
|