|
||||||||||
| トップページ > トピックス・目次 > トピックス・肉も食べ続ける食生活の大切さ1/3 > 2/3 |
||||||||||
![]() |
||||||||||
寿命の伸びと食生活の因果関係は?日本人の平均寿命は、男女平均すると80 歳を若干超える水準にあります。いまから100 年前の明治33 年(1900 年)頃の日本人の平均寿命は約40 歳と推定されています。つまり、日本人はこの100 年に寿命が2 倍になったわけです。しかし、この伸びの75 %は1947 年(昭和22 年)以降で達成されています。平均寿命が、20 世紀の前半50 年では10 歳しか伸びていないのに対し、後半50 年間で30 歳も伸びた国は世界中どこにもありません。この猛烈な平均寿命の伸びの背景にあった食生活の変化には、長寿のための食生活のヒントが隠されているに違いありません。図2は、戦後の主要食品の摂取量の変化を示したものです。戦後の平均寿命の伸びと同時に牛乳、卵、肉、そして油脂類の摂取量が大きく増加しています。図にはありませんが、穀類の摂取量は大きく減少しています。魚に加え、肉を食べ、牛乳を飲み、卵を食べ、そして脂っこいものを食べるような食生活が普及したときに平均寿命が伸びたのです。すなわち魚に偏らない動物性たんぱく質食品と油脂類が豊富に食べられるようになった頃から平均寿命が飛躍的に伸びています。このような傾向は、70 歳高齢者の10 年間の死亡率と食習慣の関係を扱った研究でも認められています。「命の量」を増やすには、肉、卵、牛乳、そして油脂類も食べることが大切といえます。 寝たきり予防の食生活ってあるのでしょうか?寝たきり予防は「命の量」と同時に「命の質」も高い水準で保つことにつながります。図3は、高い水準の能力である余暇活動、創作など、知的な活動能力を低下させる危険率を食事パターンごとに比較したものです。数百名の高齢者を2 年間追跡してみました。肉、牛乳、油脂をよく食べる食事パターンの危険率が最も低いことがわかります。寝たきり予防のためにも、肉、牛乳などの動物性たんぱく質食品と油脂類の摂取が大切なのです。つまり、長寿(命の量)と寝たきり予防(命の質)の食生活のポイントは共通しているのです。 図3 「元気で長生きのための食生活」の実践例を教えてください。 日本人の平均寿命の伸びの背景には食生活の変化があり、また追跡データから「元気で長生きのための食生活」が明らかになってきました。しかしこのような食生活を実際に高齢者が行えるのか、本当に有効なのか、思わぬ副作用がないかを試す必要があります。このような取り組みを「介入研究」といいます。図4は、私たちが作成した老化を遅らせるための食生活の指針です。特徴となっているのが「動物性たんぱく質を十分食べること」、「肉と魚の食べる割合を1 : 1 にすること」、「肉はさまざまな種類を偏らないように食べること」、「油脂類を不足しないように食べること」などです。この指針をもとにして、まず、ある高齢者マンションにお住まいの平均年齢約74 歳の元気な高齢者の方々を対象とした介入研究を行いました。2 年間、肉類などの動物性食品を食べることの大切さをさまざまなプログラムを通して伝える食生活改善運動を行いました。「高齢者はもう年なんだから、肉や脂っこい食べ物は食べないほうがよい」と思っている人が多く見受けられます。しかし、正しい情報をわかりやすく、そして実践しやすく提供することで、意識と行動は大きく変わることがわかりました。肉類を食べる頻度を介入前と後で比較すると、介入後はほとんど毎日食べると回答した人がかなり増加していました。油脂類についても全く同じ変化が認められました。「高齢者の方々に肉や脂っこい食べ物を食べましょうといっても食べられないんじゃないか」という声がありますが、それは誤りであることがわかりました。正しい情報を提供すれば高齢者の方々は食生活もライフスタイルも自在に変容させることを証明しています。またこのような情報が提供されなかった対照群では、加齢に伴って血中アルブミン値の低下がみられました。これに対して介入群では、アルブミン値の増加が認められていました。前述のように、アルブミン値は老化のものさしです。この値が増加したことは、老化の進みぐあいが遅くなったことを意味しています。さらに生命予後にも好影響を及ぼすかもしれません。研究を継続しています。
|
||||||||||
Copyright(C)2002 Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology. All rights reserved. |
||||||||||