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トピックス

加齢に伴う臓器障害は予防できるか
−SMP30への期待−

■加齢臓器障害研究グループ 石神昭人

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動画による説明

5. SMP30はサリンを分解する?

 最近、SMP30に新たなる機能が加わりました。なんと、SMP30 にはオウム事件で有名になったサリン、ソマン、タブンなどの毒物や、除草剤、防虫剤などの有機リン化合物を分解する能力があるのです。米国ミシガン大学のLaDuらは、ラットの肝臓からサリンと非常によく似た構造をもったDFP(diisopropyl phosphorofluoridate)と呼ばれる物質(図2)を分解する蛋白質を見つけて、解析したところ、SMP30と同一であると報告しました。DFPやサリンなどの有機リン化合物を分解して無害にする酵素は、有機リン分解酵素と総称されます。また、生体内では悪玉コレステロール(LDL)や細菌の毒素を分解する能力があり、生体防御に重要な役割を果たしていると考えられています。当然、DFPやサリンなどの化合物は、近代に合成されたものであり、生体内には存在しません。従って、生体内には、SMP30が分解できる別の物質が存在する筈です。SMP30ノックアウトマウスの肝臓ではリン脂質が異常に増加していることから、SMP30にはリン脂質を分解する能力があるのかもしれません。

図2 DFPとサリンの構造

図2 DFPとサリンの構造

6. SMP30への期待

 加齢に伴って細胞や組織では、様々な外的、内的ストレスが増大します。SMP30は、それらストレスを抑える働きがあります。加齢に伴ってSMP30が減少すると、細胞や組織がストレスに耐える力(閾値)が低下します(図3)。また、さまざまな動物実験から、カロリー制限食を続ければ、寿命が延びるだけでなく、加齢に伴って発症する病気にかかりにくいことが良く知られています。カロリー制限を行った動物では、加齢に伴うSMP30の減少は起こりませんでした。このように、SMP30は、老化と非常に密接な関係があります。それでは、SMP30の減少を抑えることができれば、老化を予防できるのでしょうか?これに答えるには、さらに研究が必要ですが、SMP30の働きが全て解明された時、今以上に健康で生き生きとした高齢社会が必ず訪れると期待しています。

図3 SMP30が無いと臓器障害が起こりやすい

図3 SMP30が無いと臓器障害が起こりやすい

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2004/04/02

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