第104回老年学公開講座のご案内
「PET(ペット)、パッと見てわかる 〜健康と病の画像を究める〜」
癌の早期発見などで度々マスコミに話題がとりあげられるポジトロン放出断層撮影法(Positron
Emission
Tomographyの頭文字をとってPET、ペット、と省略)は、放射線を利用して体の働きを画像に映し出す診断法の一つです。PETは1970年代後半に、脳の働きを生きたまま調べることのできる革新的方法と期待されて登場した新しい学問領域で、今日ではその研究対象は脳から心臓、癌やその他の臓器、更には筋肉にいたるまで広がっています。最近では、体の中の様々な分子の動きを調べる方法としても、更なる発展期を迎えています。
極めて寿命の短い放射能で印を付けた薬剤を体の中に投与し、放射能の分布を特殊なカメラで撮影して画像とし、体の働き具合や癌の悪性度などを調べます。性質の異なる薬剤を使うことで、様々な体の働きを調べることができるようになります。下の図は、脳の働きを放射能が半分になる時間が110分の薬剤で調べた画像で、薬物治療によって脳の働きが改善したことを示しています。

薬物治療で矢印の部位の脳の働きが改善した
PET研究に魅せられた第一線の研究者から、脳、癌、心、骨格筋をキーワードとして、PET研究の最先端と、将来への展開・夢などを紹介いたします。画像診断には「見てわかる」という優れた特徴がありますが、誰にでも「見てわかる」を、「見て納得」していただけるかと思います。
また、一つの新しい科学分野が生まれ、発展し、一般化して社会に還元されるまでの一つの例としても、興味をもっていただけますと幸いです。
東京都老人総合研究所
神経画像研究チーム 研究部長
石渡喜一

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