司会のことば
財団法人東京都老人総合研究所
精神医学研究部長 本間 昭
QOL(quality of life)は人間の生命や生活の質を表す言葉です。全体的な生活水準が向上するにしたがって、私たちの生活や健康に対する関心は経済的あるいは量的なものから、社会的、心理的などの質的なものへと変わりつつあります。たとえば、病気については、高齢になればなるほどいろいろな病気にかかりやすくなりますが、それぞれの病気を治療することは言うまでもなく、いかにしてそれらの病気と上手くつきあってよりよい生活をするかが重要になります。QOLはこのような新しい生活や健康の目標を表す考え方です。
体の不自由な高齢者や痴呆の高齢者についても、同様のことが言えます。老人ホームやいろいろな福祉サービスが増設され、量的には充実しつつありますが、様々な人たちの希望に沿えるサービスが整えられれば、次はそのサービスの内容、つまり質が当然問題になります。最近では老人ホームにおいて個室の数を増やす傾向にありますが、これは個人の生活の質的な豊かさを求めての一つの試みといえましょう。
QOLは各人の身体的、あるいは精神的な状態、社会的な役割や周囲とのかかわり、あるいはその人が感じる生活の満足度や健康感などさまざまなものの影響を受けます。
今回の公開講座では、医学的、心理学的、そして社会福祉の立場からそれぞれの専門家がQOLという考え方に基づいて、どのようにしたら充実した老後を実現できるかについてお話しします

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