司会のことば
高齢者を支える生活環境は大きく二つに分けられます。一つは人的・社会的なものです。もう一つは、物的環境とよばれるものです。物的環境には、まちや交通機関、いえ、そしてさまざまなくらしの道具が含まれます。
いくら高齢者の社会的交流を計画しても、危なくて外出できないようなまちではうまくいきません。いえや生活の道具によって、どれだけ自立した生活を続けられるかも決まります。物的環境がうまく整えば、障害をもってからも自立した生活を送ることができるからです。
しかし、高齢者のための物的環境づくりは特殊なことではありません。最近、「高齢者にやさしいまち、いえ、道具はすべての年代の人にやさしい」ということがわかってきたのです。
これからの物的環境づくりは、障害をもった高齢者にやさしいだけではなく、楽しみながら障害を予防することを目指さなければなりません。
物的環境の研究は、わが国では遅れ気味です。しかし、当研究所は1972(昭和47)年の開所以来、一貫してこの方面の研究を行ってきました。本日は、これらの研究の成果を分かりやすくお話いたします。
溝端研究室長は「まちづくり、交通機関、ドライバー」の問題、狩野研究員は「やさしい住まいづくり」の問題、徳田研究員は「くらしを助ける道具づくり」の問題についてお話をし、皆様のお役に立てればと思います。

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