財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団 東京都老人総合研究所
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公開講座

司会のことば

財団法人東京都老人総合研究所
精神医学研究部長 本間 昭

 痴呆は高齢者にみられる症状の一つです。痴呆の二大原因は、アルツハイマー型痴呆と血管性痴呆の二つです。

 アルツハイマー型痴呆は、脳の神経細胞の中と外に異常なタンパク質が蓄積して神経細胞の働きがなくなり、脳が萎縮していくことで起こります。アルツハイマー型痴呆のごく一部は遺伝子の突然変異で起きることがわかってきましたが、それ以外の大部分のアルツハイマー型痴呆の原因はまだわかっていません。血管性痴呆は、脳の血管が詰まり、その血管で養われている脳の働きが悪くなり起きる病気です。これら二つの病気は経過に多少の違いはあっても、進行し、治ることはありません。血管性痴呆の場合には、元の原因になっている脳梗塞などの脳血管障害を治療することで痴呆などの症状が一時的であっても改善することがあります。アルツハイマー型痴呆ではうまく世話をして何とか対応していくという方法しかありませんでした。

 約1年前からアルツハイマー型痴呆の治療薬を日本でも使うことができるようになりました。日本で作られた薬ですが、すでに世界中で使われています。また、最近はごく初期のアルツハイマー型痴呆に対して薬を使わない治療法やアプローチがあります。衰えた判断力などを少しでも回復させようとする脳のリハビリテーションや、物忘れはあるけれども痴呆とはいえない時からいろいろなプログラムに参加して痴呆にならないようにする試みなどが行われています。薬を使わないこれらの方法は最終的に効果が確認されているわけではありませんし、誰でもどこでもできるというものではありません。しかし、薬と組み合わせてこれらの方法をうまく使うことができれば、将来はさらに痴呆の進み方を遅くできると考えられています。

 今回の公開講座では、アルツハイマー型痴ほうを含めた痴呆症に対する最新の治療方法や予防の試みを紹介します。


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2002/11/26

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