第87回老年学公開講座のご案内
無理なくできる老化予防
「散歩のための第一歩」
直立歩行が私たち人類の生活に重要であることは誰しも疑わないでしょう。人類は立って歩くことにより前足が自由になり、手へと進化して文明を築くことができました。最近、テレビなどで動物が二本足で長い時間立ったり、歩いたりすることが評判になることが時々あります。何故、そんなことが世間の話題になるのでしょうか?それは立って歩くことが人間らしい行為であるためです。私たちは「四本足の動物が人間と同じ事ができるなんて!」と驚いているのです。
いっぽうギリシャ神話によると、エジプトのスフィンクスは通りかかる旅人に「朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足の者は誰か?」という謎をかけては、答えられぬ者を食べていました。この謎に対して英雄オイディプスは「それは人間だ」と言い当てました。這っている赤ん坊、元気に歩く若者、そして杖を持つ老人です。当時ばかりか現在においても、人間の一生における歩行の変遷をうまく表現したものと言えるでしょう。進化の産物である直立歩行は同時に、加齢に伴って様々な障害も人間にもたらすのです。
最近、「歩くこと」は老化予防や健康維持の観点から、身体にも脳にも良いと推奨されています。しかし歩行が何故良いのかという理由は意外と知られていません。今回の講演では、東京都老人総合研究所の研究成果を踏まえ、まずこの点についてお話しし、続いて、どの程度の歩行量でどのような効果があるのかについて、わかりやすくご紹介します。また直立歩行に伴う障害も加齢とともに増加してきますが、このうち多くの方々が悩んでいるのが腰痛や足の痛みです。その代表的な原因の脊柱管狭窄症を中心に、対処法を整形外科医がお話しします。
無理せずできる楽しい散歩を日常生活の中に取り入れ、老化予防への第一歩を踏み出しましょう。
東京都老人総合研究所
副所長
丸山 直記

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