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医療健康コラム
新しい高用量インフルエンザワクチンはこれまでのインフルエンザワクチンとどう違うか?
2026年01月28日
副院長 原田 和昌
副院長 原田 和昌
副院長
原田 和昌(はらだ かずまさ)
原田 和昌(はらだ かずまさ)
高用量インフルエンザワクチンとは
インフルエンザウイルスの感染は、呼吸器系疾患や循環器系疾患などのさまざまな合併症を引き起こします。特に高齢者では、インフルエンザの重症化率と合併症発症率とが高いのですが、加齢によってワクチンに対する免疫応答が低下するため、インフルエンザワクチンの予防効果が十分でない可能性がありました。このような課題に対し、これまでの標準用量インフルエンザHAワクチンの4倍の抗原量を含有する高用量インフルエンザHAワクチン、「エフルエルダ®筋注」が2024年12月に日本でも承認されました(図1)。また、75歳以上の高齢者に対して「エフルエルダ®筋注」を2026年10月から定期接種することが決まりました。
(図1)各インフルエンザHAワクチンに含まれるHA抗原量
インフルエンザワクチンによる心血管疾患の予防
インフルエンザは呼吸器系疾患だけでなく、循環器系疾患、すなわち、心筋梗塞、心不全、不整脈などを増やします。
65歳以上がインフルエンザにかかると心筋梗塞が増えると報告されました。また、高齢者がインフルエンザで入院すると日常生活動作(ADL)が低下する可能性があります。インフルエンザワクチン接種と全死亡を調べた試験を集めた研究によると、ワクチン接種は全死亡を25%低下し、重大な心血管イベントを34%低下しました。
そのため、心不全や急性冠症候群のガイドラインではインフルエンザワクチン接種を勧めています(図2)。さらに、海外で使われている高用量インフルエンザHAワクチンはこれまでの標準用量インフルエンザHAワクチンと比較して、抗体応答を向上しインフルエンザの発症、入院を抑えます。昨年報告されたオランダのDANFLU-2試験とスペインのGALFLU試験との統合解析では、インフルエンザまたは肺炎による入院、心肺疾患による入院、あらゆる原因による入院を減少させました。
炎症-老化(Inflammaging)という言葉があります。炎症が老化を促進するという概念です。インフルエンザなどの炎症はフレイルを悪化させて老化を加速するのかもしれません。高齢者では高用量インフルエンザワクチン接種によって炎症-老化の悪循環を断ち切ることで、フレイル予防、老化の進行を予防できるかもしれません。
(図2)ガイドラインにおけるインフルエンザワクチン接種の推奨
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