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その薬、見直してみませんか?高齢者と向き合うポリファーマシー対策
総合内科・高齢診療科 部長 岩切理歌
薬剤科 科長 島崎良知
薬は病気を治療し快適な生活を送るうえで大変重要なものです。しかし、薬の数が増えると薬の副作用のリスクが上がることや飲み残しが増えることが明らかとなっています。このように、複数の薬を内服することで生じる問題はポリファーマシーと呼ばれ、高齢者医療の重要な課題となっています。
ご自分の持病と内服薬について理解を深めることが重要です
治療すべき疾患の数や疾患の状態によって必要な薬の数は異なります。特に、心臓疾患、糖尿病、神経・精神疾患、膠原病の患者さんは6種類以上の薬が必要となることが少なくありません。治療のためには指示されたとおりに内服することが重要です。ご不安なことがある場合には主治医に遠慮なく相談してください。

薬を飲み忘れることはありませんか?
内服の回数が多くなると誰でも飲み忘れることが増えます。残薬の数が合わなくなってきたら遠慮なく主治医に相談してください。薬を変更することにより内服の回数を減らしてもらえる場合もあり、内服管理が楽になります。

今はもう必要ない薬を飲み続けていませんか?
症状がなくても疾患の治療や予防のために必ず内服しなければならない薬がある一方で、胃腸薬、便秘薬、頻尿の薬、痛み止め、睡眠導入薬など、症状の改善を目的として処方される薬もあります。症状が改善し今は必要ない薬や、内服しても症状の改善につながっていない薬がある場合には、主治医とよく相談し薬の中止や変更を検討してはいかがでしょうか。生活習慣の改善やストレスの緩和で症状が改善する場合もあります。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------ポリファーマシー外来もご利用ください。
お薬について、どこに相談すればよいのかわからないという場合は、ポリファーマシー外来をご利用ください。火曜日と木曜日の午後に開設していますのでお気軽にご予約下さい。

ポリファーマシー対策の本質と薬剤師の役割
ポリファーマシー対策は、単に薬の数を減らすことが目的ではなく、高齢者一人ひとりの生活背景や健康状態、価値観を踏まえた上で、最適な薬物療法を提供するプロセスです。薬剤師には、「この薬をやめてよいか」ではなく、「この薬は本当に必要か」「より適した治療法はないか」と問い続ける姿勢が求められます。

高齢者の薬物療法における配慮
特に高齢者では、加齢に伴う薬物動態・薬力学の変化、認知機能やADLの低下、家族や介護者からの支援状況など、薬の効果やリスクに影響する要因が多岐にわたります。したがって、処方意図の確認にとどまらず、服薬状況や副作用の有無、飲み間違い、服薬負担など、実際の使用状況を丁寧に把握することが不可欠です。
チーム医療の中での連携と役割
さらに、対策を効果的に進めるためには、医師、看護師、管理栄養士、リハビリ職など多職種との連携が欠かせません。退院支援カンファレンスなどに積極的に参加し、薬学的視点から具体的かつ実践的な提案を行うことが重要です。その際には、エビデンスに基づいた判断と、患者中心の視点の両立を常に意識する必要があります。

「減らす勇気」と「残す責任」
薬剤師は、「減らす勇気」と「残す責任」の双方を担う専門職です。処方設計に主体的に関わり、患者様の安全と生活の質を見据えたうえで、継続的な評価と対話を重ねながら、多職種チームの信頼されるパートナーとしての役割を果たしていくことが、真のポリファーマシー対策の実現に繋がると思います。何かご疑問点がありましたら、薬剤師にご相談ください。