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放射線治療科に赴任しました
放射線治療科 医長 由井宏道

由井 宏道(ゆい ひろみち)
本年6月東京都健康長寿医療センター放射線治療科に赴任致しました由井宏道と申します。
私は耳鼻咽喉科医として40年余を大学病院、派遣病院そして開業の道を歩いてまいりました。国立がん研究センターから来られた竹田千里教授のもと、主に頭とうけい頸部ぶ腫瘍の治療に携わりました。
このたびご縁あって当センター放射線治療科にお世話になっております。部長の角美奈子先生はじめスタッフの方々から暖かいご指導を賜って、六十の手習いは亀の歩みで這い進んでいるところであります。
頭頸部腫瘍とは?
図 頭頸部がんの発生部位
慶應義塾大学病院KOMPASから許可を得て転載(https://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000228.html)
さて頭頸部腫瘍とはどのようなものでしょうか。ご承知のとおり首から上の腫瘍(がん)です。脳と眼は除きます(図)。
一般の方からは「えっ、耳鼻科にがんがあるの!?」と驚かれます。あるのです。それも目に見える部分ですから、たいへんシビアな経過をたどることも多い。映画『愛と死をみつめて』のヒロインが罹患した上顎腫瘍(軟骨肉腫)、池田勇人元首相の喉頭がん、初代貴乃花の口腔底がん、堀ちえみさんの舌がん、いかりや長介氏の頸部悪性リンパ腫、勝新太郎氏の下咽頭がん、桑田佳祐氏の食道がんなど枚挙に暇がありません。『愛と死をみつめて』や上顎洞悪性黒色腫のピーコ氏は眼球摘出を受けましたが、これは眼科ではなく耳鼻科医が執刀します。
先頃日本耳鼻咽喉科学会が、日本耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会と名称を変更しました。耳鼻科が外科の一分野であることを再認識する動きでしょう。
竹田教授はがん研究センターでは頭頸科長と放射線科長を兼ねておられました。従って治療方針は「まず切る」。次に「放射線でいこう」でした。また母校の放射線科教授は耳鼻科出身でした。おかげで大変お世話になりありがたかったものです。このたび放射線治療科に身をおくことになり、まことに感慨深いものがあります。
当センターでの放射線治療の特徴

最近の放射線治療は、放射線治療装置や照射技術さらに画像診断の進歩により、できるだけ病巣に限定した治療が可能となりました。照射による熱さや痛みはありません。合併症のある方や体力の低下した方にも適応があります。当センターも2021年度新装置を導入、画像誘導放射線治療(IGRT)、強度変調放射線治療(IMRT)などの高精度放射線治療が可能となり、安全に精度の高い治療を行うことができます。
アラ古希の駆け出しではございます。放射線治療科のスタッフ並びに各科の皆様方の御指導をいただいて、患者さんのお役に立てるよう努めて参りたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
