センター長 挨拶

 東京都健康長寿医療センター研究所は1972年の開設以来、超高齢社会がもたらす諸問題の解決に向けた研究に取り組んでおります。研究所は2026年4月現在、常勤職員および非常勤職員、大学院生を合わせて約260名の研究者が東京都議会の承認を得た中期計画に基づき研究を行っています。

 第一期中期計画(2009年~2012年)では、「高齢者の医療と介護を支える研究」を推進し、多くの成果を生み、東京都地方独立行政法人評価委員会、研究所外部評価委員会からも高い評価をいただきました。

 第二期中期計画(2013年~2017年)では、「高齢者の健康維持・増進と活力の向上を目指す研究」を推進しました。2013年に新研究所に移転し、PET-CTや超解像顕微鏡など多くの新規研究機器を導入し、「認知症の早期発見」、「医師・看護師研修システムの開発」、「老化や老年疾患に関する各種バイオマーカーの開発」などの研究で数々の成果を出しました。その結果、当研究所の競争的研究資金、特に厚生労働科学研究費や文部科学省科学研究費の新規課題採択率は常に全国のトップクラスを収めることになりました。

 第三期中期計画(2018年~2022年)では、「高齢者の健康長寿と生活の質の向上を目指す研究」を推進しました。具体的にはサルコペニア・フレイル・認知症など老年症候群の克服に向けた研究、高齢者の地域での生活を支えるための研究、老年学研究におけるリーダーシップの発揮に向けた取り組みなどを重点的に推進しました。また、臨床研究と基礎研究が一体となったトランスレーショナル・リサーチの推進のために健康長寿イノベーションセンター(HAIC: Healthy Aging Innovation Center)を立ち上げ、活動を行っています。

 第四期中期計画(2023年~2027年)では、高齢者医療・医学の在り方を「従来の治す医療」から生活機能の維持・回復を目指した「治し支える医療」へと進めていくために、「健康づくり推進」研究プロジェクトを推進しています。

 現在、自然科学系(石神副所長)では、血管病、高齢者がん、認知症、高齢者糖尿病など老年疾患の発症・病態のメカニズム解明、予防・治療に関する研究、老化や老年病のメカニズムの解明と新規診断・治療法の開発と臨床応用、サルコペニア、フレイルなど老年症候群の発症機序の解明と早期診断、予防・治療法の開発研究、PETを用いた認知症の新たな画像解析法やバイオマーカーによる早期診断法の開発と応用などに力を入れています。

 社会科学系(藤原副所長)では、健康長寿・ウエルビーイングの実現を目指して、認知症未来社会創造センター、フレイル予防センターと連携しながら、5つの長期縦断研究をフィールドとして認知症、フレイルに関する研究を行っています。その他、社会的孤立・孤独、健康格差の是正、予防と共生についても研究を推進しています。

 当研究所の強みは、自然科学系研究者と社会科学系研究者、さらに病院医師、看護師、薬剤師、その他のコメディカルなど多職種が加わった学際的研究を活発に展開していることです。超高齢社会が進行しつつある今日、当研究所が担うべき研究課題は山積しています。所員一同、より充実した環境のもと、日々研究に取り組んでいます。今後とも変わらぬ、ご指導ご支援をお願いいたします。

神﨑恒一センター長(縦)
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター
センター長
神﨑 恒一
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