- HOME
- 研究成果
- 第12回日本筋学会学術集会「Young Investigator Award 優秀賞」を受賞しました
第12回日本筋学会学術集会「Young Investigator Award 優秀賞」を受賞しました
加齢変容研究チーム 筋老化制御研究 研究員の中村晃大が第12回日本筋学会学術集会にて「Young Investigator Award 優秀賞」を受賞しました。
発表タイトル
フェロトーシス経路は顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの新規治療標的となる受賞者
加齢変容研究チーム 筋老化制御研究 研究員 中村晃大
発表内容
顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)は、DUX4の誤発現により発症する難治性筋疾患で、現在も治療法は確立されていません。本研究では、生命の維持に欠かせない「鉄」に着目し、FSHDとの関係を調べました。FSHD患者やモデルマウスの骨格筋を解析したところ、鉄が異常に蓄積していることを発見し、鉄代謝制御が治療標的となり得るか検証しました。FSHDモデルマウスに対して、鉄キレーター投与は病態を改善せず、鉄欠乏食摂餌は病態を悪化させました。一方、鉄添加食または静脈内鉄製剤投与による鉄の補給は、FSHDモデルマウスの筋力と走力を顕著に改善させました。鉄補給による病態改善メカニズムとして、筋内の鉄代謝の改善、筋損傷レベルの軽減、脂質過酸化および鉄依存的細胞死であるフェロトーシス関連経路の抑制等が示唆されました。また、FSHD患者の半数では網膜血管異常を併発しますが、鉄補給によりFSHDモデルマウスの網膜毛細血管異常も改善されました。化合物スクリーニングにより脂質過酸化阻害剤Ferrostatin-1を同定し、FSHDモデルマウスに投与すると運動機能が著しく改善しました。したがって、DUX4が誘発する細胞毒性にフェロトーシス経路が関与し、鉄代謝制御はFSHDの新しい治療標的になり得ることが示されました。

賞状