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医療健康コラム
着任のご挨拶と脳神経外科のご紹介
2026年07月01日
脳神経外科 医長 角田翔
脳神経外科 医長 角田翔
脳神経外科 医長
角田 翔(つのだ しょう)
角田 翔(つのだ しょう)
このたび、東京都健康長寿医療センター脳神経外科の診療科長に着任いたしました 角田翔と申します。私はこれまで、東京大学脳神経外科関連病院(NTT東日本関東病院、公立昭和病院など)において、顕微鏡下直達手術を専門に研鑽を積んでまいりました。 近年、脳神経外科ではカテーテル治療や内視鏡治療などの低侵襲治療が大きく進歩し、 患者さんの負担軽減に貢献しています。一方で、複雑な脳動脈瘤をはじめ、顕微鏡下直達手術によってこそ、安全かつ根治的な治療が可能となる症例も少なくありません。しかし近年では、こうした直達手術を専門的に行う術者が減少しており、十分な治療選択肢を提示することが難しい施設もあります。私はこれまで、高難度症例を含む幅広い疾患に対して手術経験を重ね、安全性と根治性、さらには傷口などの整容面にも配慮した治療に取り組んでまいりました。当院でも、患者さん一人ひとりの病態や全身状態を総合的に評価し、血管内治療、顕微鏡下直達手術、内科的治療を含めた複数の選択肢の中から、最適な治療をご提案できる体制が整ったと考えております。地域の皆さまに信頼していただける脳神経外科を目指し、スタッフ一同尽力してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
24時間体制の脳卒中診療
当科では脳神経内科と連携し、24時間体制で脳卒中診療を行っております。脳梗塞に対するrt-PA静注療法や、急性血管閉塞に対する血栓回収療法などの急性期治療に迅速に対応しているほか、脳出血やくも膜下出血に対する緊急手術にも常時対応可能な体制を整えております。脳血行再建術― 脳の血流を守る手術―
脳や首の血管が狭くなったり閉塞したりすると、脳血流が不足して脳梗塞をひき起こします。薬による治療だけでは十分な脳血流を維持できない場合には、脳血行再建術を行います。血行再建術のうち、今回は「脳血管バイパス術」についてご紹介します。この手術は、頭皮の血管を脳の血管につなぎ、新しい血流の通り道を作る手術です(図1)。手術後は脳血流が改善し、脳梗塞の再発を予防することができます(図2)。
図1
図2
脳動脈瘤治療― くも膜下出血を防ぐために―
脳動脈瘤は脳の血管にできる“こぶ” で、脳ドックなどで偶然発見されることも少なくありません。しかし、ひとたび破裂してしまうと“くも膜下出血” を引き起こし命に関わります。治療法には、金属製クリップで動脈瘤を閉鎖する「開頭クリッピング術」(図3)と、カテーテルによる血管内治療があります。当科では患者さんの年齢や全身状態、動脈瘤の場所や形状を総合的に判断し、最適な治療法を提案いたします。
図3 開頭クリッピング術 ①動脈瘤を露図3 出したところ ②クリップで動脈瘤を閉鎖したところ三叉神経痛― 顔の激しい痛みに対する治療―
顔に電気が走るような激しい痛みを生じる三叉神経痛は、脳の血管が神経を圧迫することで発症する病気です。このたび当センターでは、これまで実施が困難であった「微小血管減圧術」が可能となりました(図4)。この手術は、神経に接触している血管を移動させ、痛みの原因そのものを取り除く根治的治療です。薬で十分な改善が得られない方や、強い痛みにより日常生活に支障をきたしている方でも、典型的な症例では9割以上でな改善・根治が期待できます。

図4 微小血管減圧術
①三叉神経の上下から動脈が接触している
②上側の接触動脈を移動させたところ
③下側の接触血管を移動させたところ
①三叉神経の上下から動脈が接触している
②上側の接触動脈を移動させたところ
③下側の接触血管を移動させたところ
今回ご紹介した病気以外にも、脳には様々な病気が発生します。当院ではこれらの疾患のほとんどに対して対応可能ですので、何なりとご相談ください。
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