関節リウマチ
疾患概要
疾患感受性遺伝子といわれる遺伝的素因と喫煙や歯周病などの環境因子を背景とし、免疫異常によって起こる、関節炎(滑膜炎)を主症状とした自己免疫疾患です。
滑膜炎とともに骨の破壊が生じて関節変形を来すことが特徴で、日常生活動作が困難となったり、社会生活に制限が出たり、生活の質が低下するだけでなく、生命寿命への影響も懸念されます。
関節だけでなく、関節リウマチと直接的または間接的に関連した臓器障害も多く、全身性の疾患とも言えます。間質性肺疾患などの肺病変や胸水を伴う胸膜炎などにより呼吸器症状を伴うこともあります。
症状が出やすい関節の部位や肺病変の合併しやすさなどに、発症年齢による違いがあります。
代表的な症状
関節痛・関節の腫れ
複数の関節に症状が出ることが一般的です。
こわばり
特に朝に強く生じます。
関節の変形
ある程度の期間、関節炎が持続した場合に生じます。
リウマトイド結節
ときに皮下結節や肺内結節として生じることがあります。
関節リウマチに伴う呼吸器病変がある場合
咳、呼吸困難感、胸痛
リウマトイド血管炎(悪性関節リウマチ)を伴う場合
発熱、上強膜炎などの眼症状、皮疹(爪囲梗塞、下腿潰瘍、紅斑、網状皮斑など)、末梢神経障害、腹痛、など血管炎による多彩な症状が生じます。
フェルティ症候群を合併した場合
白血球減少により感染症が生じやすくなります。
シェーグレン症候群を合併した場合
口や目の乾燥感
検査
- 関節リウマチの多くの方は血液中のリウマトイド因子、抗CCP抗体が陽性となりますが、陰性のこともあります。
- 関節炎の活動期には炎症反応として、血沈やCRP値が上がります。
- X線で関節の骨変形の有無を確認します。
- 肺病変の合併がないか、X線やCTで評価します。
- 白血球などの血球数、肝機能、腎機能の評価を行い、治療前には結核やウイルス肝炎などの潜在性感染評価を行います。
- 他の疾患との鑑別のために、更に全身精査を行うことがあります。
治療
関節リウマチの治療の目標は関節痛や関節炎のない寛解であり、関節破壊が進行しないこと、体の機能が保たれること、関節以外の臓器障害が起きないこと、通常通りの自宅・社会生活とより良い生命予後です。
そのためには抗リウマチ薬による早期治療が必要です。
抗リウマチ薬の効果発現には時間がかかりますので、炎症による全身症状が強い場合や関節症状が重度の場合には短期間に限定したステロイド薬を補助的に使用することがありますが、ステロイド薬の副作用の観点から長期間の使用はなるべく避けたいと考えます。
最初の抗リウマチ薬はメトトレキサートなどの内服薬を選択することが多いですが、効果が不十分な場合には生物学的製剤やJAK阻害薬という種類の抗リウマチ薬の効果を期待することがあります。
| 生物学的製剤 | TNF阻害薬 | |||||
| 一般名 | インフリキシマブ | アダリムマブ | ゴリムマブ | セルトリズマブ | エタネルセプト | オゾラリズマブ |
| 商品名 | レミケード | ヒュミラ | シンポニー | シムジア | エンブレル | ナノゾラ |
| 投与方法 | 0,2,6週 以後8週間隔点滴静注 | 2週に1回皮下注 | 4週に1回皮下注 | 0,2,4週 以後2-4週に1回皮下注 | 週に1-2回皮下注 | 4週に1回皮下注 |
| 生物学的製剤 | T細胞選択的共刺激調節剤 | IL-6阻害薬 | |
| 一般名 | アバタセプト | トシリズマブ | サリルマブ |
| 商品名 | オレンシア | アクテムラ | ケブザラ |
| 投与方法 | 0,2,4週 以後4週間隔点滴静注、または週1回皮下注(初回点滴静注併用) | 4週間隔で点滴静注、または2-1週に1回皮下注 | 2週に1回皮下注 |
| 生物学的製剤 | JAK阻害薬 | ||||
| 一般名 | トファシチニブ | バリシチニブ | ペフィシチニブ | ウパダシチニブ | フィルゴチニブ |
| 商品名 | ゼルヤンツ | オルミエント | スマイラフ | リンヴォック | ジセレカ |
| 投与方法 | 1日2回内服 | 1日1回内服 | 1日1回内服 | 1日1回内服 | 1日1回内服 |