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ご存じですか?オーラルフレイル
歯科口腔外科 部長 平野 浩彦
平野 浩彦(ひらの ひろひこ)
(図1)口の機能低下のイメージ:オーラルフレイル「オーラルフレイル」という考え方は日本で生まれ、2014年に厚生労働省の調査事業で初めて提唱されました。この考え方が生まれた背景についてまずご説明します。1989年から始まった「8020運動」(80歳で20本の自分の歯を保とうという国民運動)により、高齢者の歯の本数は大幅に増え、2024年にはその達成率は6割以上になりました。多くの歯を残すことが出来るようになったことで、「口の機能」に注目した、「オーラルフレイル」という新しい概念が考えられました。オーラルフレイルは、「オーラル(口)」と「フレイル(虚弱)」を組み合わせた言葉です。簡単に言うと、「口の機能が弱くなる状態」という意味です。「オーラルフレイル」とは、口の健康に関する「ささいな衰え」を見過ごさないようにする考え方です。このささいな衰えを放置すると、口の機能が低下し、食べる力が落ちるだけでなく、栄養状態の悪化や体全体の健康の衰えにつながってしまう可能性があ ります。こうした「悪い連鎖」を防ぐことが、オーラルフレイル予防の重要な目的です(図1)。
地域に住む高齢者約2000人を対象とした我々の調査では、オーラルフレイルがある人はない人に比べて、死亡リスク(生存率の低下)が2.1倍高いことが報告されています(図2)。
(図2)オーラルフレイルと生存率の関係オーラルフレイルは、ご自身で簡単にチェックできます(表)。チェックリストでご自身のお口の健康状態を確認してみましょう。5項目のうち、2項目以上に該当する場合には、オーラルフレイルに該当します。
(表)オーラルフレイルチェック質問票(OF-5)2018年度から、「口腔機能低下症」という新しい病名が医療保険 で認められ、オーラルフレイルに関する歯科医院で口腔機能の低下 に対する治療や管理ができるようになりました。当センター歯科口腔 外科でも対応しております(図3)。
オーラルフレイルを予防する方法のひとつに、口の体操がありま す(図4)。口の体操の具体的な方法は、日本歯科医師会のホームペー ジに動画が掲載されていますので、参考にしてみてください。
(図3)伵合力検査
(図4)オーラルフレイル対策:口腔体操 引用:日本歯科医師会HP